恋する背中をつかまえて


「話すのは久し振りだね。
あれから桜井とは会ってる?」



掌の中で、
よく冷えたカフェオレが
静かに波打つ。


あたしの気持ちと
呼応してるみたいに。



「今は事情があって逢えないけど
…でも仲良くしてます」

眼を見て話したいのに、
どこか逸らされてしまう。



あたしの気持ちなんて
きっとお見通しなんだ。




それを避けたい…の?



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