恋する背中をつかまえて


祈るように。
縋るように。

見つめる視線を受け止め、
意志を持って視線を返した。







静かで僅かな時間が過ぎ。

何かを決したように
浅野さんの肩の力が抜けた。





「…美羽ちゃんも頑固だね。
桜井に似てきたんじゃないか?」

口元に笑みを浮かべて、
穏やかな瞳に戻っていた。





「似てきた…って?」

「先日桜井に会ったんだ。
美羽ちゃんが見ていられなくて」



崇志に会ってたんだ…



元気にしてたのかな?

ちゃんとご飯食べてるのかな?
怪我なんかしてないかな?


逢って聞きたいこと
たくさんあるよ…



.

< 278 / 423 >

この作品をシェア

pagetop