恋する背中をつかまえて
祈るように。
縋るように。
見つめる視線を受け止め、
意志を持って視線を返した。
静かで僅かな時間が過ぎ。
何かを決したように
浅野さんの肩の力が抜けた。
「…美羽ちゃんも頑固だね。
桜井に似てきたんじゃないか?」
口元に笑みを浮かべて、
穏やかな瞳に戻っていた。
「似てきた…って?」
「先日桜井に会ったんだ。
美羽ちゃんが見ていられなくて」
崇志に会ってたんだ…
元気にしてたのかな?
ちゃんとご飯食べてるのかな?
怪我なんかしてないかな?
逢って聞きたいこと
たくさんあるよ…
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