恋する背中をつかまえて


その度に、
ふわりと煙のように
いなくなってしまう美羽の姿。



あのナゴヤドームの中で、
探してしまうのが
癖になってしまった。



…いないとわかっていながら。



いる訳がねぇのにな。



あの何万人もの観客席の中に、
美羽がいることを祈って
毎回打席に入る。


打席に入る時の曲も、
この車中で美羽と
何度となく聴いた曲にした。



女々しいだろ?

俺もそう思うよ。



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