恋する背中をつかまえて


* * * * *


服のポケットが、
七色に輝いているのに気付いた。



…この色は崇志だ…



駅の通路を歩きながら、
慌てて通話ボタンを押した。



「美羽?」


水の波紋が広がるように、
染み渡っていく崇志の声。



この声には、
やっぱり魔法が
掛けられてるんじゃないの?



あたしを虜にする魔法が。



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