恋する背中をつかまえて


一歩一歩、
ドームに近付く。


自分から諦めてきたドーム。

自分から諦めてきた未来。







でも。

あたしには崇志がいるなら。



隣で手を繋いでいてくれるなら。


心臓の音が周りに
聞こえてしまいそうなくらい

うるさく鳴ってる。


逸る足と、
引き返したい足が心の中で闘って
あたしの歩幅を狭くしていた。







でも。

崇志が待ってるから。



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