恋する背中をつかまえて
お母さんに再び深く頭を下げ、
お父さんに近付く崇志。
あたしだって…
あたしだって、
ちゃんと崇志の傍にいたい。
「お父さん…っ!」
偶然示したように
あたしと崇志の声が重なる。
まだ見ようとしないお父さんに
あたしはお父さんの肩を掴んだ。
「お願いだから…
お父さんあたしの眼を見て…?」
一度だって何だか恥ずかしくて、
今までちゃんと真面目な話を
したことはなかったけど。
恥ずかしくないから。
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