恋する背中をつかまえて


お母さんに再び深く頭を下げ、
お父さんに近付く崇志。





あたしだって…


あたしだって、
ちゃんと崇志の傍にいたい。



「お父さん…っ!」



偶然示したように
あたしと崇志の声が重なる。

まだ見ようとしないお父さんに
あたしはお父さんの肩を掴んだ。



「お願いだから…
お父さんあたしの眼を見て…?」

一度だって何だか恥ずかしくて、
今までちゃんと真面目な話を
したことはなかったけど。



恥ずかしくないから。



.
< 349 / 423 >

この作品をシェア

pagetop