恋する背中をつかまえて


不格好で不器用で。

親孝行なんてまだひとつも
出来てないけど…



…でも。



「あたし、不器用だし。
お裁縫も料理もお掃除も、
何ひとつ満足に出来ないけど!」



叫ぶようなあたしの声に
弾かれるように、
驚いた表情を浮かべてる。



でも聞いてくれるだけでいい。

見てくれるだけでいい。



「この人のためだったら、
何でも出来る気がするの…!」

家事がうまく出来る自信は
正直言って、ないよ。



「あたし…この人の傍にいて、

幸せになりたい!!」



幸せになれるのは、
きっと約束出来るから。




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