恋する背中をつかまえて
唸るような声に呼応して、
崇志がそっと顔を上げた。
「…はい!」
「さっきのインタビューも
間違いないな?」
怒鳴るような言い方だけど、
いつもお父さんは
うまく優しく言えない人だから。
「はいっ!」
誓ってと加えた崇志の言葉に、
眉間に皺を寄せて。
面白くなさそうに
溜め息を吐いた。
「言っておくが、
美羽は世話の焼ける
寂しがり屋だからな。
泣かせたら承知しねぇからな!」
…お父さん…
はい!と再び返事した崇志を
後ろから見つめると、
あたしは思わずお父さんに
抱きついていた。
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