恋する背中をつかまえて
当たり前でしょ!!
驚きが隠せないから
ついつい声が大きくなる。
爽やかな香水の匂いが鼻を掠め、
躊躇いがちに唇が頬に触れた。
「美羽が一生忘れられないような
いい思い出に残るものにしたかったんだ…
…怒ってる?」
怒ってない、って
首をぶんぶん横に振った。
むしろうれしかった。
ヒーローインタビューで
プロポーズされるなんて、
なかなか経験出来ないよ。
「…美羽?」
とろけてしまいたくなるほど、
気持ちを根刮ぎ奪い去るような
笑顔で隣に座っている崇志。
「うん?」
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