恋する背中をつかまえて


初めて会ったあの日から
あっという間だったね。

何があっても、
崇志は味方でいてくれた。



それだけで嬉しかった。



この指輪をくれた日も。

遠征先から来てくれた日も。
ホテルの部屋で逢った日も。

全部覚えてる。



「結婚を前提として、
お付き合いさせて
頂いている女性がいます。

名前は一般の方なので、

全てはまだ皆様に
お伝え出来ませんが…



…美羽さんです」



はにかんだ崇志の笑顔が
ふわっと零れた。

試合中には決して見せない
物凄い柔らかい笑顔。



あたしが好きな笑顔。



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