恋する背中をつかまえて
* * * * *
あれ…?
静かな寝息が聞こえる。
いつの間にか、
あたし寝ちゃってたんだ…
崇志が抱き上げてくれたのかな?
柔らかなシーツに包まれていた。
そして、隣を見ると。
崇志の厚い胸板が
あたしを包み込んでいた。
…相変わらずドキドキするのは
どうしてだろう?
あたしより長い睫毛。
栗色の柔らかい髪。
鼻筋の通った綺麗な顔。
まったく無駄のない
引き締まった筋肉。
あたしを優しく包み込む
力強いしなやかな腕。
壊れ物を扱うように
触れてくれる長い指先。
どれを取っても
すべてが大好きなところ。
.