恋する背中をつかまえて


* * * * *


今までより深い部分で
繋がった気がした。

言葉ではやっぱり
うまく言い表せないけど。



…繰り返し呼ばれた名前を
思い出すだけでも顔が綻んじゃうよ。





何度も求められた躯は
もう自由が利かない。



「…わりぃ…」



すごーく罰が悪そうに、
視線をあらゆる場所に向け。

水を片手に戻ってきた。



手渡された水を手に、
何度もなんとか起き上がろうと
するけどお腹が痛くて…



「嬉しさを出しすぎた…」


あたしの姿を目にして、頬を赤く染める。

…可愛いって言ったら、怒る?



「水、貸して」


素直に崇志に手渡すと、
軽く口に含んだ。



.
< 372 / 423 >

この作品をシェア

pagetop