恋する背中をつかまえて


今もキッチンからいい匂いが…







ん?


…って悲鳴が聞こえるのは気のせい…



…じゃねぇな。


「おい、生きてるか?」

慣れない手つきで、
包丁を握るようになった
ばかりの美羽。

見てるこっちがハラハラする。



「ったぁ…切ったぁ」

もっと旨いもの
ちゃんと切りやがれよな。



もう既に涙目の美羽を、
放っておけるはずもなく。



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