恋する背中をつかまえて


うつむいた美羽が
申し訳なさそうに
ぽつりと声を出した。



「…ちゃんと美味しくて
栄養が高くて…、
バランスの取れた食事
作ってあげたいけど…

…下手でごめんね…?」


消え入りそうな声。



美羽の脇には料理の本と
いっぱい書き込まれたノート。

それだけで、
いかに俺が愛されてるか
わかる気がする。



「いや…?

美羽のご飯、
俺はいつも楽しみにしてるけど?
美味くて、感謝してんだからな」



キッチンに立つ美羽見るのも。

美味しいって言われて、
ほっとした表情で
微笑む美羽見るのも。

俺は好きなんだけど。



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