恋する背中をつかまえて


こんなに束縛したがるなんて
俺もどうかしてる。


女性に事欠いたことはないけど、
どこか冷めたところもあった。





…どうせ俺が野球してなかったら寄って来ねぇくせに…



どこかの付録じゃない。


俺は俺なんだ。

野球をしてなくても。





野球辞めたら…
傍にいてくんねぇんだろ?

そう思ってた。



球場から離れたらただの男。


現役生活だって、
あと何年使って貰えるかなんて、
この世界においては未知数。

ひとつ怪我をしただけで、
今のポジションが簡単に
誰かに奪われてしまう。



そんな過酷な世界に自分の身を
置いておきたいからこそ、
プライベートでは、
家をきちんと任せられる
相手を選びたい。



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