恋する背中をつかまえて


頭をずぅっと回り続けた言葉が
堰を切ったようにこぼれだした。





「赤ちゃん…が…」



「できたかも…しれない…」

お願いだから
離れていかないで。

あたしの傍にいて。



あたしをひとりにしないで…






「本当に…?」



かすかにこぼれた言葉に、
思わず肩をすぼめた。


全身の筋肉が
硬直してしまいそうな
気さえする。



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