恋する背中をつかまえて


どんな声色で。

どんな表情で。
どんなタイミングで。


お父さんに声をかけたら
いいんだろう?



…判る訳ないや…



家に男性を連れてくるのも
今までで崇志が初めてだから。

こんな状況なんか
慣れられるはずもない。



「…ねぇ、お父さん…」



いつものように腰を下ろし、
見上げるように視線を向ける。



新聞を捲る音が風で届く。



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