恋する背中をつかまえて
触れることなど叶わない
と思っていた人の手が
自分の目の前に、
笑顔を添えて差し出されている。
それだけでも幸せだった。
そうっと傷つけないように触れると、とても温かかった。
「美羽ちゃんの手、小さいね。
俺壊しちゃいそうだよ」
…桜井さんなら、
あたし壊されてもいいです!
って言いたくなるよ〜!!
「なぁに紳士ぶってるんだよ〜、
気持ちわりぃよ」
って隣で毒づいてる。
桜井さんになんてことを…!?
「…やっぱり?」
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