恋する背中をつかまえて


「…美羽、
ちゃんと連絡しろよ」

「うん…」

「試合でも遠征中だろうが、
ちゃんと連絡しろよ。

…いいな?」

「うん…わかった」

「家に着いたら着いたって
ちゃんと連絡して。

家まで見送れねぇから」



うん…って頷きながら、
どこまでも優しい桜井さんが
凄くうれしかった。



紳士なんだか
優しくないんだか

わかんない。



でも、この手を離せない。



「じゃあ、またな美羽」


手首から
桜井さんの手が離れる。


わかっていたことなのに
やっぱり寂しい…



.
< 83 / 423 >

この作品をシェア

pagetop