恋する背中をつかまえて
「…美羽、
ちゃんと連絡しろよ」
「うん…」
「試合でも遠征中だろうが、
ちゃんと連絡しろよ。
…いいな?」
「うん…わかった」
「家に着いたら着いたって
ちゃんと連絡して。
家まで見送れねぇから」
うん…って頷きながら、
どこまでも優しい桜井さんが
凄くうれしかった。
紳士なんだか
優しくないんだか
わかんない。
でも、この手を離せない。
「じゃあ、またな美羽」
手首から
桜井さんの手が離れる。
わかっていたことなのに
やっぱり寂しい…
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