恋する背中をつかまえて


はい、と返していると
隣の席の同期で仲良しの
紗雪に肩をつつかれた。


「なぁに?」

「なぁにじゃないわよ、
浅野さんって美羽をよく
気にかけてくれるよね〜」

「まだまだ頼りない部下が
心配なんじゃないの?」

「だったら、
あたしも心配してくれたって
いいじゃないのよ〜?

どう見たって美羽だけでしょ」

「考えすぎだって〜。
ほら仕事終わんないよ」



確かに紗雪の言う通り、
歓迎会の一件以来何かと仕事で
気にかけてくれていた。


周りの同期とかも、
歓迎会の後、二人で連れ立って
行ったあたしと浅野さんを
勘ぐるような人もいたし。

でも浅野さんからちゃんと
否定してくれていた。



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