恋する背中をつかまえて

…へっ？



「あ〜、浅野の目の前だと
俺は嘘つけねぇな」


天使のような笑顔で、
けらけらと笑いながらも
口から飛び出した言葉は
まるで悪魔みたい。



「俺、こんな奴だよ？
びっくりした？」

「それとももう俺のこと
嫌いになったかな？」


嫌いにはなりませんけど。

確かにびっくりした。



「そんなんで嫌いになんかならないけど。これが素の顔ですか」



意外とあたし冷静。

あたし自身にびっくりだわ。



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