星に願いを…
夜空の星探し
『心地良いのは、一瞬の光り。
それを浴び続ければ、違う世界に行ける。
違う私になれる。』

そんな文章を読みながら、ため息を吐く。
手にしていた7年前の雑誌を机の上に放り投げた。
そのページで、冷たく孤独に微笑む美しい女性と目が会う。
男は、眉間に皺を寄せると、大きな音を立てて雑誌を乱暴に閉じた。


雑誌の見出しには、『世界的モデル SEIKOが語る!!―等身大の自分―』


男は視線を反らして、オフィスチェアーの背もたれに自分の身体を預けると、ゆっくりと目を瞑った。
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