星に願いを…
そのブランドの名前やショーの名前を見るだけでも、SEIKOがどれだけ世界のモデル業界で注目されていたのか分かる。

人間には限界がある。その国でしか活躍出来ず、そこに留まる事しか出来ない人間がいる様に、世界のどの国でも通用する、注目されてしまう極稀な人間。
それが…―SEIKOだった。

その為、SEIKOの失踪当時嘆くデザイナーが多かったと聞く。又、SEIKOの失踪はモデル業界だけに留まらず世界に波紋を呼んだ。
特に日本は、SEIKOを育てた地として、失踪直後からその居所を掴む為に躍起になった。
連日連夜、SEIKOの実家には記者やワイドショーの人間が詰め掛けた。

母親は一言もSEIKOの居所は語らず「ご心配おかけして申し訳ありません。」と言うだけだった。
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