国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・私も、ここに来たばかりの頃は、右も左もわからずに苦労したわ。



レアは、夜になると一人で泣きながら眠りについた昔の自分を思い出して、なつかしくなった。


「あの。それで、レア様は一体こんな夜遅くに何をなさっているのですか?」


先輩の巫女見習いの少女が遠慮がちに問うと、レアはにっこりと笑った。


「薬草の勉強よ。いつもは月明かりで勉強するのだけど、今日は暗くて。

炬火の下でなら、勉強できるかと思って」


レアがさげたかごには沢山の薬草が入っており、レアはそれを床に並べると、

もう少しここにいさせてね、と言って、廊下に座り込んだ。


二人の少女はぺこりとお辞儀をすると、次の炬火を交換するために廊下を進んでいった。

マリカは、何度もレアを振り返り、やがて見えなくなった。




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