国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
翌朝、天からの恵みが大地を潤している頃、神殿の食堂では大事件が起きていた。
それは皆が食卓につき、まさにいまから食事に手をつけようとしているときに起きた。
「おや、食事はもう始まっているのか」
神殿ではめったにしないはずの男性の声に、ウェスタの巫女や見習いたちが一斉に振り返る。
「マルス王だわ!」
入り口に立っていたのは、マルスだった。
突然の訪問者に、皆がざわめき始めるが、ウルウが立ち上がると一瞬で静かになった。
「今は朝の食事の時間です。いらっしゃるとは聞いておりませんが」
ウルウは、王相手にもひくことなく、暗に迷惑だという口のきき方をした。
「悪いが、急に食事がしたくなってな。俺も一緒に混ぜてくれ」
マルスは、ちっとも“悪く”なさそうに、大またでずけずけと入ってくると、
レアの姿を見つけて、その隣の女に声をかけた。
「ここに座ってもよいかな?」