国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マルスに話しかけられて、レアの倍ほどの年の女は、まるで少女のように顔を赤くすると、すぐに席を立った。


「ありがとう」


マルスの整った顔が、一部のすきもないほど完璧な微笑を見せると、

年かさの神官たちまでが、ほぉ、っとため息を漏らす。


「マルス様。ここにはあなた様が召し上がるような食事はありませんよ」


ウルウはマルスを豪華な食事で、もてなすつもりもなかったが、

実際、ここでの食事は、朝取った野菜くらいで、ろくなものはなかった。


「何を言う。ここに立派な食事があるではないか。

ウェスタの巫女の食事が!」


マルスは目の前にある、粗末な食事を指差した。


そのマルスの言葉の真意を理解したのは、ウルウとレアの二人だけだった。



・・以前、私を王の食事でもてなしたように、

今度は私に巫女の食事でもてなせとおっしゃっているのだわ。







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