国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「母さん、私一人でこんなに食べて大丈夫なの?
お父さんとお兄ちゃんの分は?
それに、お母さんもちっとも食べていないよ?
これ、半分あげるよ」
自分の家が、贅沢のできない身分であることは、
幼いレアにも、はっきりと分かっていることだった。
食べたい気持ちを抑えて、大好きな母に皿を差し出した。
「いいのよ。
皆、もう食べてしまったの。
お兄ちゃんはお仕事に出かけたし」
「父さんは?」
母の肩が不自然に震えてるのを見て、レアは父がまた仕事をせずに“バクチ”をしに行ってしまったのだと思った。
それがどんなものかはよく知らないが、とにかくとてもお金がかかり、
そのせいで、しょっちゅう母が泣いているということだけは知っていた。
その時、壊れそうな扉を乱暴に開けて、父が帰ってきた。
その後ろには、見慣れない男が立っていて、女の顔から血の気が引いた。