国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・ミコミナライ?
ドレイ?
何の話だろう。
レアには、二人の会話は、ほとんど理解できなかった。
ただ、その後ろで声を押し殺して泣いている母を見ると、これがただ事ではないのだろうと感じた。
「一応、確認しておくが、もちろん処女だろうな」
「あぁ、当然だ。巫女は処女じゃなきゃ、資格を失うからな」
男は満足げに頷くと、まだ食事の済んでいないレアの腕を強引に引っ張った。
「きゃっ!」
転びそうになるのを支えたのは、レアがこの世で一番愛している母。
「待ってください。せめて食事が終わってから!」
必死にすがりつく母の体は、男の平手によって宙を舞い、
レアは母の名を呼びながら、ひきづられるようにして、住み慣れた我が家を後にした。