国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい



・・馬鹿な。俺は一体何を考えている?



清麗艶美なレアの姿を、自分以外の人間が間近で見ているのかと思うと、

マルスは、ここにいる全ての人間に嫉妬を覚えた。


このまま、レアを、自分という鎖に繋いで、一生誰にも会わせたくない--、

そんな欲望が浮かんできて、マルスは慌てて首を振った。



・・お兄様?



マルスの隣の席でレアの舞を見ていたディスコルディアは、

いつもとは違い、真剣に舞台を眺める兄の姿に、違和感を覚えた。



・・毎年、舞などくだらないと言って、お酒ばかり召し上がっているのに。




< 133 / 522 >

この作品をシェア

pagetop