国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・馬鹿な。俺は一体何を考えている?
清麗艶美なレアの姿を、自分以外の人間が間近で見ているのかと思うと、
マルスは、ここにいる全ての人間に嫉妬を覚えた。
このまま、レアを、自分という鎖に繋いで、一生誰にも会わせたくない--、
そんな欲望が浮かんできて、マルスは慌てて首を振った。
・・お兄様?
マルスの隣の席でレアの舞を見ていたディスコルディアは、
いつもとは違い、真剣に舞台を眺める兄の姿に、違和感を覚えた。
・・毎年、舞などくだらないと言って、お酒ばかり召し上がっているのに。