国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・なんてこと!!
30年近く、この例祭を経験してきた神官長のウルウにとっても、こんな出来事は初めてであった。
とにかく皆を非難させなくては。
ウルウは神官や巫女を炎と反対の方に集めたが、一人、レアだけは、燃える舞台から下りようとしない。
すでに舞台の端は焼けて、火柱と煙が立ち昇っている。
「レア!舞台から下りてこちらへいらっしゃい!!」
ウルウは大声を出したが、消化しようと動く兵士や、逃げ惑う民衆の悲鳴にかき消され、
その声はレアの耳には届かなかった。
このままでは危ない、ウルウはそう判断して、自分も舞台の上に駆け上がると、レアの腕に手をかけた。
が、レアはウルウの手をはらいのけると、突然大きな声で、祝詞を唱え始めた。