国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

雨の助けもあり、広がるかに見えた炎は、あっさりと兵士たちの手によって鎮火された。


レアは、周囲のことも気にせず、熱に浮かされたように祝詞を唱え続けた。


強い雨の音で、レアの声を正確に聞き取れたものなど、いなかったかもしれない。

それなのに、人々は、彼女の唇に目をむけ、最後の一言が終わるのを身じろぎもせずに待った。


レアが舞台に伏せ、祈りの終了を告げると、ほんの少しの間、広場は静寂に包まれた。


その後、まず舞台近くの数人の人間がぱらぱらと拍手を送ると、次第に拍手の数が増え、

やがて、雨の音さえかき消すほどの大きな歓声へと変わっていった。



・・レア。あなたという人は。



ウルウは、他の誰も成しえないであろうことを行った彼女が、

自分の想像以上に、ずっと強い力を秘めているのだと改めて思い知った。







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