国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・もう少しでうまくいったのに!
人々の顔が、喜びにはじけている中、上級神官のシギネアは、ことの成り行きを見て、眉間にしわを寄せた。
「お許しください、シギネア様。
おっしゃるとおりに、かがり火の台を倒しました。
もうこれ以上のことは。
あの方には、本当に神がついておられるのですわ」
シギネアは、自分の後ろで震えている神官の少女をぎろりと睨んだ。
「わかっているわね?
このことを誰かに言ったら、あんたを一族ごとウェスタから追放するわよ?」
シギネアの父が、王族の関係者だと知っているその少女は、黙ってこくりと頷いた。