国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
空はきれいに晴れ渡っていて、ところどころにある白い雲が、美しい陰影を描いていた。
その真っ青な空が視界に入り、レアは一瞬誰かの瞳を思い出したが、無理やり意識を遮断した。
「どうしたのですか?」
レアは、目の前にいる小さな病人に声をかけた。しかし、子供は、しゃべるのも辛いようで、ぐったりとしている。
代わりに隣にいた母親が応えた。
「3日前から熱がひかなくて、食べ物も食べないのです。昨日は水しか飲んでおりません」
心配そうな母親の顔に、レアはなるべく明るい声で微笑んだ。
「では、体を診せてくださいね」
クリナリア祭から二ヶ月がたち、ウェスタ神殿が落ち着きを取り戻した頃、
レアは、簡単な施薬を行うことを認められるようになっていた。