国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
施薬館には毎日大勢の患者が訪れる。軽症の患者は、本当に近くの村からしかやってこないので、
遠くから足を運んでわざわざここまでやってくる者は、たいてい重病人だった。
当然、経験の豊富な上級巫女が診ても、そう簡単に治るわけでもなく、毎日のように死んでいく患者がいたが、
それでも、ウェスタ神殿で看取られたいと思うものは後をたたず、決して患者が途絶えることはなかった。
・・重病の患者は、移動するだけで余計に命を縮めてしまうわ。
何とかする方法はないのかしら。
レアは、施薬をして治った患者さんの笑顔を見ることに喜びを感じながらも、
一方で、救うことのできなかった多くの患者の家族の涙を見ることが辛かった。
「レア様。次は、男性の患者です」
自分の補佐に当たっている巫女が告げると、レアは分かりましたと答えた。
病人の治療の場合は、男性の肌に触れることが許されていたが、
それでも慣れないうちは、非常に戸惑うことが多かった。
特にレアは、短期間で施薬を行うことになったため、男性の裸を見ることにも不慣れだった。