国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
太陽が完全に姿を消し、辺りが闇に支配される頃、施薬館は一日の作業を終える。
片づけをしている上級巫女のもとへ、神官長のウルウが見回りにきて労をねぎらった。
「ご苦労様でした。今日は、何か問題は?」
「はい、このところ食あたりの患者が多いので、足りなくなった薬草を明日にでも補充する予定です」
上級巫女の中でも、もっとも年上の巫女が、頭を下げて答えた。
「レアの様子はどうですか?」
「たんなる過労で、寝ていれば治ると思います。
無理ありません。だいぶ疲れていたようでしたから」
ウルウはそれを聞くと、軽く頷き、ではまた明日よろしく、と言い残して施薬館を後にした。
・・無理をさせすぎたかしら。
ウルウは、クリナリア祭が終わった後も、毎日レアを呼び出して、特別に勉強を教えており、
昨夜も会ったのに、体調が悪そうだと気付かなかった自分の目は、まだまだ甘いと反省した。