国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

どこまでも続く緑の森の中で、きゃっ、きゃっと無邪気な笑い声が聞こえてくる。



・・あぁ、あれは、私だわ。



レアは、自分が幼い頃の夢を見ているのだと、うっすらと理解した。

少女は、草を選り分けながら、摘んだものを大好きな母に見せようと、大またで駆けていく。

その先には、はかなげに笑う女性の姿。



・・母さん。



母に抱きついて笑っている少女の様を見て、レアは、幼い自分に嫉妬した。

今なら、自分はもっと母の役に立てるはず。そう、あの頃よりもずっと--。





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