国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
・・レア、レアッ!
ふいに自分を呼ぶ声が聞こえて、レアは体をびくんと揺らして、覚醒した。
「サラ・・・」
「ごめんね、レア。なんだか酷くうなされていたから、起こしちゃった」
サラは、レアの枕元で心配そうにたたずんでいる。部屋の中は暗く、すでに夜であることをレアに教える。
ぐるりと周囲を見回して、レアは、ここが自分の部屋であることを確認すると、昼間のことを思い出した。
「そっか、私、倒れちゃったんだね」
「そうだよ。患者さんの診察中に突然気を失って。
びっくりしたよ。明日は一日良く休みなさいって。
ウルウ様の許可も取ってあるから、大丈夫よ」
・・そうだ、兄さん!どうなったのかしら?
仮病をつかってまで、自分を訪ねてくれた兄。その前で自分は気絶してしまったのだ。
どんなに心配していることか。
「あの、サラ?私が診ていた患者さんはどうなったかしら?」
レアは慎重にサラの様子を観察しながら返事を待った。