国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
レアは、時々どこか冷静なもう一人の自分が自分自身の支配主であり、
表面上を取り繕っている自分は、ただのあやつり人形なのではないかと思うことがあった。
それは、年を追うごとに、だんだんと確信めいたものへと変わっていくようだった。
と、扉が開いて、手燭の明かりが部屋の中を照らし出した。
「おや、起きてたの。返事が無かったので、勝手に入りましたよ」
そう言いながら入ってきたのは、神官長のウルウだった。
「ウルウ様!!」
レアは、わざわざウルウが自分を見舞ってくれたことに驚き、寝台から立ち上がった。
「あぁ、そのままで。明日は一日休んで、早く治しなさい」
レアは、うつむいて、はい、と返事をした。
体調は元に戻っても、この、空虚な自分が、ウルウのような本物になれる日は来ないだろうと思いながら。