国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「ああっ!!」
レアは、苦痛に顔を歪める。その間にも、彼女の瞳におさまりきらない涙が、床をまだらにぬらした。
マルスは、レアの両腕を片手でまとめるように握りかえると、空いた右手で、細い首元をはさんだ。
喉を締め上げられ、レアは息ができない。
「はっ、
あっ・・」
痛みと苦しみで、レアの意識は朦朧とする。
マルスはレアの抵抗が和らいだのを冷静に見計らってから、ほんの少し腕を緩めた。
そのまま、レアのふるえる喉元を冷たい指先で撫であげると、顎を挟んで唇を押し付ける。
貪るように口腔内をおかされるのを、レアはただ、意識の端で感じていた。
まるで、父のようだ、とレアは忘れかけていた男の存在を思い出した。
酔って暴れる父の機嫌がおさまるのを、いつも、ただ身を小さくして待った。
なぜ、自分がマルスをそんなにも怒らせてしまったのか、
レアにはまったく思い浮かばす、マルスという嵐が過ぎ去るのを、ただじっと待つしかなかった。