国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
いけません、マルス様、などといいつつも、たいした抵抗もせず、
侍女は、マルスに組み敷かれて、媚びるように彼を見つめている。
・・そうだ、普通の女はこういう瞳で俺を見る。
マルスは、レアが自分を拒否したときのことを思い出して、奥歯を噛み締めた。
マルスについている侍女は、貴族の中でも高位についているものが多かったし、
いつ王に見初められて、王子を産むことになるかもしれないという期待から、
ほとんどが見目麗しい令嬢であった。
マルスは女の胸元をはだけさせると、そのまま鎖骨に吸い付いた。
「あんっ、マルス様」
いかにも、わざとらしい女の声は、男の喜ぶ術を知っているかのようだ。
今まで侍女に手をつけたことは幾度もあったし、マルスにとって、女を抱くことなどたいしたことではなかったはずだった。
しかし、今、マルスは、女の媚びへつらう態度に嫌悪感がはしり、思わず手をとめた。