国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「出て行け」


マルスの唸るような声は、小さすぎて、期待に胸躍らせる侍女には聞き取ることができなかった。


「はい?」


艶のある声で聞き返したのが、余計にマルスの癇に障った。


「出て行け!!」


マルスのぴりぴりとした気迫が、部屋中の空気を震わせる。

あまりの恐怖に、侍女は寝台から転げ落ちると、はだけた胸元を押さえて走り去った。


静寂を取り戻した寝台で、マルスは再び目を閉じる。



・・なぜ、レアでなくてはならないんだ。



マルスは闇に問いかけたが、返事はなかった。






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