国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
レアは、本能で、これが聞くべきではない話だと思い始めた。
うつむいて、マルスの掌の下から、そっと自分の手をずらそうとすると、
重ねていただけのマルスの手が、自分の手をがっしりと握り締めた。
ハッとして、顔を上げると、真摯な顔のマルスが、自分を見つめている。
心も体も、吸い込まれてしまいそうな、澄んだ空色の瞳。
レアは、掌から毒が回ってしまったように、体全体に痺れを感じた。
「頼む。どうしても最後まで聞いてほしい」
マルスの声は、まるで神からの啓示のようで、レアは逆らうことができなかった。
「俺は、お前にふさわしい男になりたいのだ。
今の俺では、お前の足元にも及ばない。だが、努力する。
もっと国のこと、民のことを考えて、飢えに苦しむ者がいなくなるように。
貧しさゆえに奴隷として売られ、家族と離れる者がなくなるように。
そう決めたのだ。
そして、いつか--」
マルスの熱い瞳が、艶を帯び、レアは目を逸らしたくても、逸らすことができない。