国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
男はそこまで一気にまくし立てると、ロカの肩に手を置いた。
「な、悪いことは言わねぇよ。
そりゃあんたの腕がすごいってのは、わかってるが、戦に巻き込まれたら、命がねぇぞ。
俺はあんんたの剣の腕をかってるんだ。このまま俺の船の護衛を続けないか?」
「なるほど。おもしろい情報だな。ほらよ、礼だ」
ロカは、持っていた酒瓶を男に手渡して立ち上がると、船の進行方向をに目を向けた。
ロカが自分の誘いに興味を示さないとわかると、
男は、ちぇっ、せっかく教えてやったのに、などとぶつぶつ言いながら、立ち去った。
・・狂王に、暴君ねぇ。
ロカは、口の端を吊り上げてにやりと笑うと、自分の瞳と同じ色の空を見上げて、額の汗を拭った。
・・皆、元気でいるか?
男は、ほぼ5年ぶりに帰る我が家に思いを馳せて、日に焼けた腕で目元を覆うと、まぶしそうに目を細めた--。