国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「反乱、だと?」


見張りの兵士からの報告が届いたのは、ちょうどマルスが朝食を食べ始めた時刻だった。


飛び込んできた兵士の尋常ではない様子を見て、

マルスはこれが、ただ事ではないと、瞬間的に悟った。


すぐに、重臣に召集をかけ、その間に、自ら見張り台へと上った。



・・なっ、なんだ、あれは!



マルスは、目の前の光景に、我が目を疑った。

それは、まるで竜神のようだった。

雨が降っているにもかかわらず、天まで昇る何本もの黒煙が、空を闇色に染め尽くそうとしている。

そして、大地には、それを背にした、大きく黒い塊があり、徐々にこちらへ近づいてくるように見える。


それが、人だとわかったのは、反乱だと報告を受けていたからだ。

そうでなければ、恐ろしい怪物でも近づいてきたと思ったに違いない。

うおっ~!という、地を揺さぶるような音は、おそらく人々の声ならぬ声。






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