国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

「すみません、起こしてしまいましたか?」


レアの柔らかい微笑が、自分を見下ろしている。

春の陽だまりのような、女神の微笑み。


「レ・・・ア・・・・」


「暖かいお茶でもお入れしましょうか?」


そう言って背を向けたレアの手首を、マルスは、はっとして掴んだ。

隼(はやぶさ)が獲物を捕らえるように、目にも留まらぬ速さで。


「本当に、レアか?」


掌に伝わるレアのぬくもりを感じても、マルスは訊かずにはおれなかった。


「何か他のものに見えますか?」


「どうして戻った?」


「マルス様はお忘れですか?

私が何者なのか」


レアは、ふふ、と声を上げて笑うと、マルスの足元に跪いた。










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