国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
亡き妻の名前に、ロカの口元から、笑みが消えた。
「ヴェローナは・・・・
苦しんだのか?」
「苦しんだかだとぉ?
苦しんで、苦しんで・・のた打ち回って死んでいったわ!!
それもこれも、皆お前が見捨てたせいだろうが、何を今更、殊勝ぶりおって!」
アニウスは、のろのろと立ち上がると、
部屋の隅に立てかけてあった剣を持ち上げ、鞘を投げ捨てた。
「わざわざ俺に、殺されに来たのか!」
ロカは、いや、と答えながら、一度視線を床に落とした。
そして、ゆっくりと息を吸い込みながら、剣の切っ先をアニウスの体に向けた。
一瞬の、
沈黙。
「かつての約束を果たしに。
お前を、
殺しに来た」