国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

マリカがロカの元へと姿を見せる、数刻前のこと。


隠し通路の中で、ラウススたちは身をかがめ、マリカが追いついてくるのを待っていた。

ほのかに薄明るい通路の中は、ひんやりとしていてかび臭く、独特の雰囲気をかもし出している。

ずっとついて歩いてきていると思っていたのに、いつの間にか、マリカの姿は、影も形もない。


「お母様、やっぱり私も、お兄様のところに行く!」


まだたいして待ってもいないのに、じれたディスコルディアは、騒ぎ出した。


「だめよ、ディスコルディア。王は、私たちに逃げてほしいの。

あなたが行ったところで、何の役にも立たない。

いいえ、むしろお邪魔になるだけよ」


ニュクスの説得に、ディスコルディアは、納得しない。

--できない。


「いやよ。あの奴隷女はよくて、どうして私はだめなの?

おかしいわ!!」





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