国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
「叩いたのは、悪かった。でも、これだけは、はっきりさせておく。
君が、どんなに高貴な生まれか知らないけど、
だからといって、レアを侮辱するどんな権利も持ち合わせてはいない。
僕が神殿に忍び込んだことは、いくら責めてもかまわないが、
レアの悪口を言うのはやめてもらう。いいね?」
「・・・・・」
ディスコルディアは、目の前にいるラウススをじっと眺めた。
身分の低い、つまらないはずの男。
やせこけた体は、貧しさの証明だ。
何の力もない、そのへんにいくらでも転がっていそうな男。
そんな男が、妹を守るために、自分をぶった。
レアの、名誉を守るために。
「ずる・・いわ」
「え?」
ディスコルディアの声が聞き取れずに、ラウススは彼女の口元に、耳を近づけた。