国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
しばらくして、ディスコルディアが落ち着くと、
ニュクスは、このままマリカを置いて、出口へ向かった方が良いと提案した。
道は一本しかない。
迷ったわけはない。多分、レアたちの後を追ったのだ。
もしくは、井戸の入り口で待っているか。
それなら、いざとなれば外へ向かって逃げてくるはず。
はしこい子の様だから、多分心配いらないだろう。
・・まったく、気の強い娘が多いわね。
どうしても、“サイゴ”に王に会ってくると言って、譲らなかったレアといい。
ディスコルディアに、その上、マリカまで。
・・良いんだか、悪いんだか。
それでも、ニュクスはなんだか楽しい気分になった。
王宮を追われ、さすらう身になるというのに、生まれ変わったように晴れやかな気分だ。
この子達がいれば、この国はきっと大丈夫。
・・神よ。どうぞこの子達をお守りください。
自分の前を歩く二人の背中に、ニュクスは目を細めた。