国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい

しばらくして、ディスコルディアが落ち着くと、

ニュクスは、このままマリカを置いて、出口へ向かった方が良いと提案した。


道は一本しかない。

迷ったわけはない。多分、レアたちの後を追ったのだ。

もしくは、井戸の入り口で待っているか。

それなら、いざとなれば外へ向かって逃げてくるはず。

はしこい子の様だから、多分心配いらないだろう。



・・まったく、気の強い娘が多いわね。



どうしても、“サイゴ”に王に会ってくると言って、譲らなかったレアといい。

ディスコルディアに、その上、マリカまで。



・・良いんだか、悪いんだか。



それでも、ニュクスはなんだか楽しい気分になった。

王宮を追われ、さすらう身になるというのに、生まれ変わったように晴れやかな気分だ。

この子達がいれば、この国はきっと大丈夫。



・・神よ。どうぞこの子達をお守りください。



自分の前を歩く二人の背中に、ニュクスは目を細めた。

< 424 / 522 >

この作品をシェア

pagetop