国王陛下は純潔乙女を独占愛で染め上げたい
枯れ井戸には蓋がしてあるのだろう。
まったく光が差し込んでこないが、まだ雨が降っていそうなことは、井戸の中に反響する音でわかる。
「僕もね」
ラウススはそう言いながら、膝を両腕で抱え込んだ。
「君と同じ気持ちだから」
「えっ?」
「僕も、妹が好きなのさ」
どうして自分が、誰にも言ったことのない告白を、こんなさっき会ったばかりの少女にしているのか、
ラウススは、自分でも良く分からなかった。
「じゃあ、あなたとレアさんも、異母兄弟なの?」
ラウススの言葉に、ディスコルディアは、俯く彼の方へと身を乗り出した。
「うん。小さかったから、彼女はそれを覚えてないけどね」
ラウススは苦笑した。